Max Thornton-Smith (マックス・ソーントン=スミス)は、西オーストラリア州パース(ブールー)で生まれ、現在も同地を拠点に活動するファインアーティストである。主に油彩、木炭、ビデオアートを用いて制作を行い、彼の作品は大きく二つの要素を軸としている。それは、さまざまなメディウムをアニマティック(動的)な領域で再構築すること、そして伝統的な素材の使用を、よりデジタル的、あるいは新しい表現の場へと拡張していくことである。
風景画や、周囲の環境を表現主義的に描く作品を中心に、マックスは常に自然環境とその無数の流れに魅了されてきた。それは顔料を含んだ大地であったり、虹色にきらめく光であったりする。
戸外制作(プレナール絵画)の特性とプロセスに強く惹かれ、彼はその実践の多くを印象派的表現の力を探究することに費やしてきた。素材そのものへの深い理解と、絵画に対する丁寧な姿勢を通して、マックスは知覚や風景をより抽象化して捉える表現を、確かな実体を持つ形式へと結びつける基盤を築いてきた。その結果、オーストラリアのブッシュ(原生林)を、躍動感あふれるイメージとして描き出す作品が生まれている。
彼の作品は、抽象化された風景やアニメーション的な動きが、鑑賞者の記憶や過去、そして心に訴えかける力を持つことに焦点を当てている。最終的には、人間の知覚の心理──私たちが時間や記憶、そして人間の在り方をどのように解釈するのか──を探究している。
近年、マックスはよりデジタルに重心を置いた制作へと取り組み、絵画作品の展示と並行して、インスタレーションやインタラクティブな体験型作品の制作も行っている。今後は、日本画(岩絵具)による表現の研究をさらに深めるとともに、音楽家や映像作家などとのコラボレーションを含む、マルチメディア領域へと実践を広げていくことに関心を寄せている。







